あんたは、生きることに強すぎる… ダメンズとの恋
4、5年前かな、
NHK土曜ドラマ「夫婦善哉」をやっていた。
織田作之助が1940年に発表した短編小説のドラマ化したもの。
舞台は大正から昭和初期の大阪・北新地、
大阪が日本一華やかだった時代だった。
売れっ子芸妓(げいぎ)の蝶子は化粧品問屋の若だんな・柳吉と恋に落ちるが、
柳吉は妻子持ちだ。
父親に勘当され、一文無しになった柳吉との暮らしを支える蝶子だが、
甲斐(かい)性のない柳吉は放蕩(ほうとう)を続ける。
自分の力で人生を切り抜けようとする蝶子とは正反対の男、
典型的なダメンズとの物語。
気の弱いぼんぼんの柳吉としっかり者の蝶子、
ふたりで法善寺境内の「夫婦善哉」を
食べにいくところで、物語のクライマックスを迎える。
ダメンズを支える女性もいる。
離れられないのは、やっぱり愛情があるんだよね。
そんなふたりが幸せかどうかは、
他人が決める事ではないのかもしれないよね。
どんなに苦労しても、それを不幸とは思わない。
自分が惚れた相手のためならば、
苦労を苦労と感じないかもしれない。
その時代の大阪の雰囲気が好きだ。
言葉といい、浪花の情緒ある人との繋がり
とても、おもしろい。
昔、ミヤコ蝶々と南都雄二の「夫婦善哉」というテレビ放送があった。
視聴率は30%を超えていたという。
ふたりも、後で別れたが、蝶々さんが主導権を握り、
かかあ天下だったようだ。
別れた後も「夫婦善哉」の司会をした。
雄二は持病の糖尿病が進行し、沖縄で倒れた。
妻の不倫も発覚、うちひしがれていた。
蝶々は懸命に世話をした。
車いすを押し、病院を歩いた。
ある日、雄二が言った。
「あんたは、生きることに強すぎる。ボチボチ……がない人やった」
蝶々を頼りながら、73年に亡くなった。
こんな関係もあるんだなと…
別れても、男の浮気で女ができても
まだ、ふっきれない愛情があった。
元カレや別れた夫にまだ未練があるっていう人もいるしね…。
男と女の関係はまか不思議だ。
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